瑕疵借り お前に一つ瑕疵だ



怪しい物件情報

「こちらのアパート、リフォーム済で築も浅く設備も整っております」

「いいですね、駅からも近いし」

「スーパーやコンビニも近いです。閑静な住宅街の中にあるので基本静かですしね」

「家賃も安いし言う事無しじゃないですか。まさか事故物件とか?」

「いいえ。ですがこちらの物件、、、瑕疵(かし)がありまして」

「貸し?歌詞?仮死?どういう意味ですか?」

「瑕疵です。物件になんらかの問題があるという事です」

「え!そうなんですか、、、でも気に入ったしなぁ」

「やめときなって、後悔しても知らないよ」

「ああ!君は、、、座敷童子!」

「ちゃんと忠告はしたからね、くすくす」


座敷童子は僕の目の前でいきなり姿を消した。
いたたまれなくなった僕はそそくさと部屋を出て行く。

数日後、例の物件をネットの事故物件サイトで調べたところ、見事に瑕疵あり物件だった。
なんと前住人が死亡していたのだ(死因はお菓子の食べ過ぎ)


「瑕疵か、、、」
そんな事があるなんて。勉強になった、ありがとう座敷童子!


上記は非常に運のいい例です。普通は知らずに借りたりするんですよね。
まぁ事前に調べて瑕疵の事実を知りながら住む強者もいますが。
そういうわけで瑕疵とは我々にも関係してくる事柄なんです。

“瑕疵”

通常、一般的には備わっているにもかかわらず
本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。



「不動産屋に化けるのも大変だよ」


松岡一族

松岡といえば修造。
松岡といえばTOKIO。
松岡といえばきっ、、、まぁいいや。
これ絶対的な真実、もはや変えようがない。

だが松岡には第三の男がいるのだ。そう、松岡圭祐!
彼は人気小説家をやっております。
ちなみに探偵の探偵とかいうわけのわからないタイトルの作品が代表作。
他にも色々書いておりますがその中にキラリと光る作品が。


瑕疵借り。何か変わったタイトルですよね。
松岡圭祐にしては、、、ってフルネーム書くの面倒くさい。

よって以降、マッツと記載させて頂きます。


不動産の賃貸物件を舞台にした作品。マッツにしては地味な題材です。
ただあまり注目されていないという意味で目の付け所はいい。
タイトルを見れば「瑕疵って何?」疑問が湧いてきて興味をそそられますから。

内容に関してはそれぞれ独立した4編のお話を収めた短編集。
独立してるんですが、それぞれ細かいつながりがあったりします。
もうね、話の構成が見事!見事過ぎる!


主人公は話ごとに違うんですが、ふとした事がきっかけで瑕疵物件にたどり着く。
その童貞、じゃない道程が実に自然。自然なんだけどありきたりじゃない。
映画とかドラマで創り手の都合よく話を進めたいのがありありな展開ってよくあるでしょ?
ツッコミどころ満載みたいな。そういうの全然なし!

「え?そういう流れでそうなるの?」
何度もいい意味でうなされました。
ちなみに出て来る瑕疵物件ですが事件性はそれほどありません。
サスペンス度もありますがそんなに高くない。


むしろ繰り広げられる人間ドラマにほろりとくる感じ。
あと話の進行役というか裏の主人公がいまして。
彼は職業としての”瑕疵借り”を営んでいる男。

大家や不動産会社の依頼で事故物件を借りて住むスペシャリストなんです。
彼のキャラクターもかなり魅力的。ちなみに4編全てに登場してきます。
彼が出ないともう話が始まんないよ!


それにしても松岡一族はあなどれない。
特にマッツは凄い!才能のかたまりです。
長編でも短編でもOK。安心と興奮のブランドです。



マッツ「私は物書きじゃない。ただの猫好きだ」


近未来予想図


瑕疵借りという小説、実に映画(ドラマ)化しやすい作品。
理由はいくつかあります。

・瑕疵物件がメインの舞台なのでロケ代がかからない

・誰が演じても大丈夫そうな一般人な登場人物たち

・元々の構成がしっかりしているので脚本化しやすい

・マッツ・ミケルセンがノーギャラで出演してくれる(予定)


そんな瑕疵借り、実際に映画もしくはドラマ化した場合一体どうなるのか?
視える、、、未来が視えるわ!

1.映画化した場合

地味な作品という事で、当初上映館数はたったの2館。
だが口コミで評判が広がり、結果興業収益30億円を超える大ヒット!
日本アカデミー賞にもノミネート。会場にはマッツ・ミケルセンも駆けつけた。
さらに全国でこんなやり取りも頻発、社会問題となった。

「貸した金、早く返せよ」
「お前に瑕疵なんてねえ」
「何言ってんだ?貸しただろうが!」
「瑕疵た?ウソ言うな!」
「バカ!」
「バカって言った方がバカ!」
「バカバカバカバカバカ!」
「バカバカバカバカバカバカ!」

2.ドラマ化した場合

当初月9として製作される予定だったが地味という事でお流れに。
結果日曜劇場の枠で放送。予想外の高視聴率を叩き出す。
最高視聴率42.2%。「倍瑕疵だ!」のセリフは流行語に。
さらに全国でこんなやり取りも頻発、社会問題となった。

「だがしかし、面白いな~!」
「駄菓子瑕疵?なんやそれ?」
「知らんの?マンガやで」
「そんな凡字みたいなタイトルのマンガなんてあるか!」
「あるわ!このわからんちん!」
「アホ!」
「アホって言った方がアホ!」
「アホアホアホアホアホ!」
「アホアホアホアホアホアホ!」


不毛です。瑕疵借り、映像化しない方がいいのかもしれません。
ただ作品としての完成度は非常に高い。なので世の人々にもっと知ってほしい。

賛成の反対、じゃない探偵の探偵も確かに面白い。
だけど瑕疵借りもそれに負けず劣らず素晴らしいのだから。


瑕疵借りを知らない、まだ読んだ事がない。

その事がもうあなたの人生の瑕疵なのだ。



「その意見には反対の賛成よ」

瑕疵借り (講談社文庫)

新品価格
¥713から
(2018/11/15 22:01時点)


2018-12-09 | Posted in 小説, No Comments » 

関連記事

Comment





Comment



CAPTCHA