東京難民 人生難易度ベリーハード



俺は難民じゃねえ

東京難民とは?

死都と化した東京。難民と化した人々。
多くの難民は人を喰らう正体不明の怪人”喰種”に変化してしまう。
人肉食いが蔓延する荒廃した東京を舞台にえげつないにも程がある戦いが幕を開ける!

ってそんなわけないでしょ!人の言う事を簡単に信じちゃいけません。
騙されて身ぐるみはがされて難民になっちゃいますよ。
ちょっと東京喰種トーキョーグールとかいうマンガの話が混じっちゃいました。

東京難民、本当はどういう話なのか?

ボンクラ三流大学生である修君の両親が金に困りトンズラ。
当然仕送りがストップ。修君は大学を除籍され住んでる所も追い出されてしまう。
一人の若者がてんやわんやする悲惨なコメディです。

ってそんなわけないでしょ!人の言う事を簡単に信じちゃいけません。
騙されて身ぐるみはがされて難民になっちゃいますよ。


“真実の中に嘘を混ぜると見分けにくくなる”
よく言われることです。上に記載した東京難民の説明で嘘なのはたった一箇所だけ。

どの部分かわかりますか?そう、コメディってところ。
笑えません、悲惨すぎて。

難民生活ってきついんだなぁ。


作者の福澤徹三はホラー作品を手がけているお方。
従って東京難民もホラーテイスト?確かに怖い部分もありますがほんの少し。
怖いというよりキツイですね。でも文書力が高いので非常に読みやすい。

さすが徹三、しっかりしてるぜ!
丹念な描写が読み手の心をジワジワ侵食する。ある意味ホラーかもしんない。


「俺たち東京難民!(ウソ)」

難民人生の指南書


東京難民の主人公、時枝修。通称オッサー、普通な大学生です。
彼はお金に困り色々なアルバイトをやるんですね。
それが妙にリアルなんですよ。作者はマジでやったんじゃないでしょうか。

どの仕事に関しても意外と役に立つ知識が満載なんですよね。何事も奥が深い。
やってみなければわからない。でも東京難民を読めばやらなくてもわかる。
小説のいいところですな。


「こんな長いの読んでられないよ!」
仕方ないですね。そういった方の為に各アルバイトの真髄を一行で表現いたします。
徹三、ゴメンな!勝手してスマン!

・ティッシュ配り 人差し指と中指でティッシュを挟み、相手の胸に差し出せ!

・ポスティング マンション管理人に気をつけろ!あとチラシを捨てると高確率でバレる!

・ゲイバー(売春あり) お尻は大切にな!でも割り切れるのなら差し出せば?

・治験 基本ゴロゴロしてればいいのだ。副作用?大丈夫!多分。

・ホスト 肝臓をやられるぞ!人のする仕事ではない、金の亡者のする仕事だ!

・土木作業 タコ部屋でなければ、我慢出来るぞ!今日も飯が美味い!

・路上雑誌販売 接客は愛想で決まる!勇気を出して声をだせば売り上げもアップだ!


どうですか?あなたもこの先、これらの仕事をする事になるかもしれない。
前もって知識を仕入れておくのはいいことです。働く達人になろう!
え?そもそも働きたくない?だよね!



“だから働きたくないって!”


長すぎた難民生活


「東京難民の映画?観たけどまぁまぁだったよ」
原作の東京難民、こういう人に読んで頂きたい。
映画版よりも内容は充実しております。なにせ全552ページもの大作ですから。

とにかく長いんです。もう少しコンパクトにまとめてれば、、、そういう気持ちもありますけど。
映画版を観て小説に入った人も多いでしょうね。僕もそうでした。
映画版の方はそつなくまとめた感じ。結構端折ってます。
伏線ごと無くなってたりとかね。あと主演がイケメンなので現実感が薄い部分はあり。


対して小説版は人生の真理が記載されてたりしてより心に響きます。
まずは飯。東京難民は食べるシーンが結構あったりするんです。

主人公の修ちゃんが土木作業後に食堂で飯を食べます。めっちゃ美味く感じるんですよね。
メニューはショボイのに。薄い味噌汁に、漬物、平べったい魚というラインナップ。
なのに美味い!やっぱり体動かしてるんで腹減りまくりだからでしょう。


ホームレスになった後は、さらに飯の美味さが加速!
空腹は最高の調味料とはよく言ったもの。

東京難民、実はグルメマンガよりも
グルメしていたんですねぇ。


「普通の生活がしたい!」
修君はそう嘆きます。しかしそもそも普通の生活って何?
仕事があって、家があって、家族がいて。それが普通なんでしょうか?

東京難民には”ババ”と呼ばれるアジアン馬場園とは似ても似つかないホームレスが出てきます。
彼は宗教家のような佇まい。日々何もせず、瞑想に浸っているのですが、、、
仰る事がどれも真実というか、心に響くんですよね。


例えば「宗教は個人個人がやるものだ。組織でやると必ず腐敗する」
なんてことを言うんです。本当、その通りですよね。
目からウロコが落ちました。魚人でもないのに。

ババの言う格言?を読むだけでも東京難民に触れる価値はあります。
残念ながら映画版には登場しないんですけどね。裏の主人公なのに!



「俺のウロコも落ちたよ」


東京易民はどこだ?


世界最大の都市、東京。
華やかな反面、シビアな暗黒面も併せ持つ。
自分に落ち度が無くてもふとした事で難民生活に陥るかもしれない。

日常に潜む怖さを小説という手法で表現しつつ、転落人生のハウツー本としてもためになる。
それが東京難民。

まさにイヤイヤエンターテイメント。


今、東京で生活しているあなた。
さらにこのコラムを読んでいるあなた。
恐らく東京易民であろうあなた。

だけどいつ東京難民になるかもしれません。
その時の備えとして一度東京難民に触れて下さい。
役に立つ事は間違いないのだから。

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2018-03-20 | Posted in 小説, No Comments » 

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