タクシードライバー 運転手は君だ



カフェラッテトーク


とあるタクシーが夜の都会を流している。
ふと道端に目をやるタクシードライバー。
どうやら客のようだ。

「どちらまで?」
「ハリウッド横町まで」
「わかりました」

「、、、最近お仕事の方、どうですか?」
「監督の仕事が多いかも」
「そういえばそうですね」
「女優としては、、、さすがに年を感じるわ」


「ちょっと聞きたいんだけど」
「はい」
「私の代表作って何だと思う?」

「やはりタクシードライバーですね」


「そりゃそうよね、あなたの仕事を考えると」
「いや、それを抜きにしても素晴らしい演技っぷりでしたよ」

「でも私、主演じゃないし」
「いやいや、デ・ニーロを食ってましたよ」
「本当かしら」

「嘘は付いてませんよ」
「、、、じゃあなんであなたの髪型、モヒカンなのよ」
「すみません、嘘付きました」


「やっぱりタクシードライバー=ロバート・デ・ニーロなのよね、、、」
窓の向こうに見える街並。気だるげに目をやる乗客の女性。
その顔はジョディー・フォスターに見える。

ハリウッドの夜は更けていく、、、
タクシーも走り続ける、、、



「このグラサン、自前なの☆」


ヘイ、タクシー!


「タクシードライバー?大好きな映画だ!」
こう高らかに宣言する映画好き、タクシー運転手の数ほどいるだろう。
もちろん俺もその一人。

本作はタクシードライバーを生業とする一人の男の狂気の物語。
狂気の源はベトナム戦争、それともニューヨークという街なのか。
、、、っていうハードな物語なんだけど。
もちろんそれだけではなくて。様々な要素がいくつも絡み合っていたりする。
しかも非常にバランスがいいんですよ。


本作の監督はマーティン・スコセッシ。たくさんの名作映画を撮っています。
その中で最もバランスに優れた映画がタクシードライバーなんじゃないか。
俺はそう思っているわけです。

主人公は2人。元海兵隊員(自称)トラヴィスと大都会ニューヨーク。

トラヴィスに命を吹き込んだのは
ロバート・デ・ニーロ。

ニューヨークに命を吹き込んだのは
マーティン・スコセッシ。


2人とも非常にいい仕事をしました。
両名は本作以降もタッグを組んでいます。
ですが2人が最も化学反応を起こした傑作がタクシードライバーだ!
ここで認定させてもらいます。


“凄い俳優とは人が真似したくなる演技をする者だ”
これ俺の映画信条。で、タクシードライバーのロバート・デ・ニーロは?
真似したくなる演技てんこ盛りです。


ほら、あなたも真似したことあるでしょ?
数々のトラヴィスパフォーマンス!

・鏡の前で半裸になり、銃を構える

・惚れた女が働く職場に乗り込んだ際、ファイティングポーズを取る

・タクシーの運転手になる

・知り合いの女をポルノ映画に連れて行く

・勢い余ってモヒカン刈りにする(後で後悔)


トラヴィスは病んでいるので基本行動がおかしい。
ベトナム戦争を経験したのでその後遺症が原因かもしれない。

不眠症⇒タクシードライバーになる。この就職方程式も極端だしね。
で、夜勤後の朝も眠れないのでポルノ映画を観たり。
本作ではポルノ映画が結構出てきます。しかもかなり変なやつ。
これって隠れたポイントかもしんない。


その後、トラヴィスは銃を手に入れたり、体を鍛えまくったり。
大統領を暗殺するような動きを見せたり。
かと思えば?ポン引きのチンピラと修羅場を展開したり。

このシーンがまた凄くて。昔テレビの映画特集番組でダイジェストで初めて観たんですが。
その時の衝撃といったら!トラウマもんですよ、もちろんいいトラウマですけどね。
そしてエンディング、、、いい意味で言葉が見つからないエンディング、そうはないですよ。
また余韻がね、素晴らしいんですよ。心にグッサグサに突き刺さります。



“確かに感じる、夜のニューヨーク”

ブルームーントーク


とあるタクシーが夜の都会を流している。
ふと道端に目をやるタクシードライバー。
どうやら客のようだ。

「どちらまで?」
「ハリウッド二番街まで」
「わかりました」


「最近ドラマで凄い活躍してますよね」
「まあね。復活よ、復活」

「ちなみにブルースさんとはどうなんですか?」
「、、、相変わらず仲悪いけど。でも奴ももう落ち目でしょ」
「駄作に出まくってますもんね」

「人間、お金に目が眩んじゃダメって事よ」
「本当そうですよね、肝に銘じます」
(お金に目が眩んだブルースさんについてのコラムはこちら)


「、、、でも私、やっぱり映画女優だから」
「ですよね。僕も映画のイメージの方が強いです」
「私といえば何の映画だと思う?」

「そりゃタクシードライバーですね」

「そりゃそうよね、あなたの仕事を考えると」
「いや、それを抜きにしても素晴らしい美女っぷりでしたよ」


「でも私、主演じゃないし」
「いやいや、デ・ニーロを違う意味で食ってましたよ」
「本当かしら」

「嘘は付いてませんよ」
「、、、じゃあなんであんたの髪型、モヒカンなのよ」
「すみません、嘘付きました」


「やっぱりタクシードライバー=ロバート・デ・ニーロなのよね、、、」
窓の向こうに見える街。気だるげに目をやる乗客の女性。
その顔はシビル・シェパードに見える。

ハリウッドの夜はさらに更けていく、、、
タクシーも走り続ける、、、



「私たちにもこんな時があったのね、、、っていつの時代よ!」

タクシードライバーはムーディー映画なのか?


「映画にはムーディー映画というジャンルがある」
当ブログでもしつこく言い続けている格言?です。
ストーリーやキャラクターに魅力があろうがなかろうが関係なく惹かれる。
それがムーディー映画。

雰囲気や世界観に浸っているだけで心地よくなる映画の事なんです。
有名どころではブレードランナーなどでしょうか。
で、タクシードライバーもムーディー映画に該当するんですね。


ニューヨークの匂いたつような空気感や渋すぎる音楽がムーディーに誘う。
単にぼーっと観ているだけでも段々心地よくなってくる。
ただ物語的にきな臭い狂気が徐々に蔓延してきます。

なのでいつまでもぼーっと観てはいられない。強烈な残酷描写もありますからね。
そこが他のムーディー映画との大きな違い。
タクシードライバーにとって、ムーディーさはほんの一側面に過ぎない。

「映画は総合芸術だ」


キューブリックだかファブリーズだか知らないがどこぞの映画監督がかつてこう言ってました。
確かにその通り!砂漠における砂金程度の数しか存在しないけど。

そんな数少ない総合芸術に値する映画の一つがタクシードライバー。
もちろんお高くとまってなどいない。
エンタメと作家性の絶妙なバランスを楽しめる。これぞ映画!

ここに宣言する。

「タクシードライバーは総合芸術だ」


タクシードライバーという職業のイメージアップにも大いに貢献した本作。
非常に奥深い物語。なので色々な考察を目にしてから観賞するのもいいだろう。
だが、、、まずは流して観てみないか?大丈夫!なんたってタクシーなんだしね。

確かに映画史に名を刻む名作ではあるが、別に気負わなくてもいいんだ。
映像、音楽、世界観、空気感、俳優、物語、、、
全てにおいて高いレベルにある1970年代生まれのブツだから構えるのもわかる。
だがどんな観方をしても俺たちを受け入れてくれる懐の深さがタクシードライバーにはある!
そうだろ?なぁ、トラビス?



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2018-05-16 | Posted in 映画, 洋画, ドラマNo Comments » 

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